コラム

童話で学ぶビジネス・WEB用語(初級編)~三匹のこぶた~

昔々あるところに、なかよしのこぶたの三兄弟がいました。

ある日、お母さんが「そろそろ自分達で家を建てなさい」とオリエンしました。
一番上のこぶたは、コストリダクションしたワラの家。
二番目のこぶたは、ワークフローを緻密に設定した木の家。
三番目のこぶたは、ロジカルに組み立てたレンガの家をローンチしました。

その陰から、はらぺこ狼がオポチュニティをうかがっていました。
そしてついに、コンセンサスを得ることなく
一番上のこぶたのワラの家を「ふぅ~~~っ!!」と吹き飛ばし、
二番目のこぶたの木の家は体当たりでバラバラにし、それぞれの脆弱性を攻撃しました。

二匹のこぶたはコンティンジェンシープランに則り、
一番下のこぶたが作ったレンガの家に逃げ込みました。
レンガの家には、狼のフルコミットな攻撃を受けてもビクともしない高いコアコンピタンス
狼の攻撃を見事に遮断します。
狼は煙突から入ってやろうと屋根にのぼりました。
こぶたたちは、狼がボトルネックな煙突を見つけたのを感じて、
暖炉に火を起こし大なべにお湯を沸かすことで、リスクヘッジしました。
「あちちちちーーーーっ!!」
大なべに落ちた狼は叫んで逃げていきました。

お兄さんこぶた達は、弟こぶたにお礼を言いました。
そして、三匹のこぶたたちはアライアンスを結び幸せに暮らしましたとさ。

 

 

突然の横文字に困惑…

三匹のこぶたの物語に昔懐かしさを感じていたら、
コストリダクションしたワラの家!ビクともしない高いコアコンピタンス!と、突然カタカナ語で攻めてきて何が何だか…。

お気づきの通り、これは童話「三匹のこぶた」を基にした物語の一部分を、ビジネス・WEB用語に置き換えたものです。
昨今のビジネスシーンでは、このような専門用語を使う機会が増えてきました。
そこで今回は、童話の中に紛れていた基本的なビジネス・WEB用語について解説します。
横文字が苦手な方でも、「この言葉ちょっと使ってみたいな」「これ上司がやたらと使ってくる言葉だ…」
など気になった言葉の解説だけでも読んでみてください。
一つひとつに例文をつけているので、使えそうな文章をそのまま会社の先輩や上司に何食わぬ顔で言ってみるのもいいかも…?

では、ぜひこのオポチュニティに知識のファイアウォールを築いて、社会に対するリスクヘッジをしておきましょう!

用語解説

「ある日、お母さんが『そろそろ自分達で家を建てなさい』とオリエンしました。」

Orientation(方向付け)の略。                                               新人が組織に順応するための講習・研修などの活動。また新しい物事の考え方や方向性を説明すること。
例) 15時から会議室で新企画のオリエンをする予定である。 (スケジュール帳に)🖋15時会議室オリエン

「一番上のこぶたは、コストリダクションしたワラの家。」

Cost Reduction(経費削減)。生産や管理での無駄がないかを見直して、費用の削減を図るときなどに使われる。
例) 社内会議で、コストリダクションの方向性について話し合われた。

「二番目のこぶたは、ワークフローを緻密に設定した木の家。」

Workflow System(社内の報告書や申請書を電子化して、効率的に承認・回覧するためのシステム)の略。                                                 業務の一連の作業や手続き。
例) 新人に分かりやすく伝えるため、業務のワークフローを図式化する。

「三番目のこぶたは、ロジカルに組み立てたレンガの家をローンチしました。」

ロジカル:Logical(論理的)。筋道の通った考え方。
例) 先輩の説明は、いつもロジカルで分かりやすいですね。

ローンチ:Launch(打ち上げる、立ち上げる)。新製品や新サービスを公表する・売り出すこと。                                                     類義語の「リリース」の方がよく使われる。
例) 新製品のローンチの予定日が早まり、先輩が焦っている。

「その陰から、はらぺこ狼がオポチュニティをうかがっていました。」

Opportunity(機会、好機)。(ビジネス用語として)営業活動における取引の機会。
(チャンスは運よく舞い込んだ機会、オポチュニティは積極的に勝ち取った機会。)
例) 努力してつかんだこのオポチュニティ、絶対逃せない。

「そしてついに、コンセンサスを得ることなく」

Consensus(同意)。意見が一致していること。(コンセンサス方式とは、全会一致でひとつの結論を出すこと。)
例) 次の新企画、取引先のコンセンサスが取れているか確認してきます。

「二番目のこぶたの木の家は体当たりでバラバラにし、それぞれの脆弱性を攻撃しました。」

コンピュータのOSやソフトウェアに存在する情報セキュリティ上の欠陥。セキュリティホールとも呼ばれる。

例) 社内コンピュータの脆弱性が指摘され、新しいセキュリティソフトを導入することになった。

「二匹のこぶたはコンティンジェンシープランに則り、」

Contingency Plan(緊急時対応計画)。                                                                               災害や事故などの緊急事態において被害を最小限に抑えるため、あらかじめ対応方法や手順などを定めた計画。


例) 不測の事態に備え、コンティンジェンシープランを策定した。

「レンガの家には、狼のフルコミットな攻撃を受けてもビクともしない高いコアコンピタンス。」

フルコミット:FullとCommitを合わせた和製英語。成果や結果に全面的な責任を負うこと。                                                        また、全力で取り組むこと。「コミット」を強調したいときに使われる。
例) 商談を成功させるため、明日はフルコミットで臨みます!

コアコンピタンス:Core Competence(核となる能力)。競合他社が真似できないような企業の中核となる強み。


例) このエンジン技術こそが、我が社のコアコンピタンスです。

「こぶたたちは、狼がボトルネックな煙突を見つけたのを感じて、」

Bottleneck(瓶の首、道が狭くなっている箇所、障壁)。
作業やシステムにおいて、処理能力や要領などが一番低い部分。全体の能力や成果に障害となる部分。「ネック」とも言う。
例) 予算不足がボトルネックとなり、プロジェクトがうまく進まない。

「暖炉に火を起こし大なべにお湯を沸かすことで、リスクヘッジしました。」

Risk(危険性)Hedge(生け垣、防止策)。起こりうる危険性を事前に予測し、対応できる体制を取って備えること。「ヘッジ」とも言う。
例) リスクヘッジを怠ると多大な損失が出る可能性がある。

「そして、三匹のこぶたたちはアライアンスを結び幸せに暮らしましたとさ。」

Alliance(同盟)。複数の企業が互いの利益のために業務提携すること。


例) 海外企業とのアライアンスで業務の幅が拡大し、先輩が張り切っている。

「ぜひ、このオポチュニティに知識のファイアウォールを築いて、」

Firewall(防火壁)。企業などの内部ネットワークを、外部からの攻撃や不正アクセスから守るためのソフトウェアやハードウェアのこと。
例) 先輩、このアプリはファイアウォールを無効にしないとインストールできないようです。

 

おわりに

用語の解説は以上です。お疲れ様でした。
何回か聞いたことはあったけど、こんな意味だったのか!という言葉も多かったのではないでしょうか。
今回ご紹介したのはほんの一部ですが、基本的なビジネス・WEB用語を押さえておけば、これからのビジネスシーンで役に立つこと間違いなしです。
もしかしたら、上司に「おっ、君はなかなかやるねぇ」と認めてもらえるかも…?

ただ、最後に一つ、気を付けたい点があります。
先ほど出てきたこの文章。
「ぜひ、このオポチュニティに知識のファイアウォールを築いて、社会に対するリスクヘッジをしておきましょう!」
このように、専門用語は便利な反面、多用しすぎると逆に意味が伝わりづらくなってしまうこともあります。用法、用量を守って、適切に使うことを心掛けましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました、この記事を通して、少しでも皆様のお役に立てたなら幸いです。

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